濡れ縁補修工事
東京都 杉並区 南荻窪
毎年、年3回お庭の剪定に入らせて頂いているお得意様です。 近所の数寄屋大工さんに作って頂いた丸太の濡縁が30年たち、 そろそろ傷んできたので、困っているとのことでした。 お施主様は茶道の先生をしておりまして、30年前当時に建てた 小間の茶室と濡縁のお話をして頂きました。近所の数寄屋大工さんが、 1人でじっくり時間をかけて作られたそうです。それを聞いて、 少しでも良いものを残せるよう同じ工法での補修を提案いたしました。
30年たったヒノキの丸太、朽ちたところを解体し 以前の工法や構造をしっかり把握していきます。
丸太を削り平面をつくり、根太に合わせたほぞをノミで掘ります。 天然の丸太なので一本一本のほぞの深さを調整して水平に加工ししていきます。
丸合い釘によりお互い木材を寄せていきます。
根太にも釘を打ち付けていきます。これにより頑丈な濡れ縁になります。 この繰り返しです。
濡縁の出幅を揃えていきます。墨付けをした後一気に切り落とします。
まっすぐ切れました。
完成です。植木屋なのにここまで再現できたのを、驚かれていました。 今、仕口や小屋組みなどの伝統的なものが見直されてきました。 私も修行時代初めてノミで、ほぞを掘った時は、感動でした。 最初の頃は木の採寸の仕方やノミの扱いが遅くて、親方にきつく叱らたのを覚えています。
まだまだ未熟ですが、植木屋としてだけではなく、 職人、庭師としてお客様にごひいきにされるよう努めて参ります。
« ブログ一覧に戻る