お庭のお手入れをしている、お得意様のお庭工事の紹介です。 枯木の梅が台風の影響で、風に揺さぶられ倒れてきました。 長く曲線的な姿は、エントランスのアプローチ上に被さっています。 単純なT字の支柱ですと、どうしても、アプローチの動線を塞いでしまうので、 開口を広く設けた、2本柱の支柱を造りました。
支柱の材料には、防腐加工されたヒノキの丸太を使用し、 趣のある枯い梅の木の姿に合わせるべく、支柱の構造を仕口の加工にしました。 仕口とは、オス、メスのホゾを作り、2つの木材を接合をする工法です。 日本の伝統的な工法で、ノミを使用した手仕事は、 風格ある梅の木の雰囲気を引き立てます。
支柱には、様々な見た目や構造のものがあります。 丸太にカスガイを用いた、テンプレート化した安易な構造のものも悪くはないですが、 もし、お施主様が長年、大切にしている庭木であれば、 その木に合わせた工夫や意匠が、あっても良いと思います。 自身の重さに支えきれなくなった植木の姿は、弱っていても その姿には深みがあり、その木の生きた歴史を感じます。
お庭の大切な木を(守る)のは、私たち造園家にとって、大切な仕事です。 そして、その守り方も、その木のありのままの姿を賞賛するような、 サポート(支え)を目指しています。
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